VESMAクライアントマニュアル
1.
はじめに
これはサーバのクライアントとなる側の設定を中心においたマニュアルです。したがってユーザ側の準備や初期設定等は全く記述されていません。ユーザ側の準備や初期設定等を知りたい場合は、別途VESMAユーザマニュアルを参照してください。
2.
ユーザチェンジの有効なコマンド
ユーザマニュアルで説明した通りにユーザ設定でユーザを作り、管理者モードとユーザモードを分けてはいるが、管理者としてloginしたり一般ユーザとしてloginしたりするのにいちいちVESMAを再起動するのは少し面倒、あまり機能的ではない、と考えている方にモードを簡単に切り替えることができる方法を以下で説明します。
[Esc]からメニューを出して[command]を選び、「Command」ウィンドウで「relogin」と入力してEnterキーを押すと、そのままの状態でログインウインドウが表示されます。このときに管理者モードならadminとadminPasswordを、ユーザモードでなら設定したnameとpasswordを入力すればすぐに変えることができます。(※動作が不安定なので、入力しても変わらない場合があります。その場合はVESMAを再起動してloginしてください。)
3.
サーバの設定(※全て管理者モードで設定してください。)
3.1 通信許可設定
これはユーザ側で設定したのと同じように、[Esc]キーでメニューを開いて[config]で設定します。[pubSpace]タブをクリックして[path]欄に「/transporter」と入力し[Add]を押下します。
次に、[import]タブをクリックして[ACE]欄に「S_ADDRESS
[通信先パソコンのIP]
255.255.255.255 ACCEPT」と入力し[Add]を押下。
続いて、[export]タブをクリックして[ACE]欄に「D_ADDRESS
[通信先パソコンのIP]
255.255.255.255 ACCEPT」と入力して[Add]を押下して終了。これでユーザからの通信を許可した状態となりました。(ADDRESSの後ろ・通信先パソコンのIPの後ろ・ACCEPTの前は半角スペースが入力されています。)
図1 import設定画面
3.2 通信するユーザの設定
[config]から[users]タブを開き、ユーザが移動してくる際必要となるnameとPasswordを設定します。ユーザの設定と同じように、[users]タブで移動してくるユーザを作成します。nameとuserID は、そのユーザが自分のサーバで設定したものと同一のものに設定してください。
次にPasswordはクライアント側が通信してくる者の認証を行うものなので、nameやuserIDと同じように同一のものではなく、クライアント側が独自に決めます。role・avatar・homeはデフォルトのままで大丈夫です。全て入力し終えたら「Add」を押下して終わりです。これにより設定されたnameとPasswordをそれぞれ各ユーザ一人一人に配布します。また同時にクライアントのサーバ名とIPも伝えてください。
以上の設定で、ユーザがこのサーバへ通信することができるようになったと思います。これでも上手くいかない場合は、次の項目と照らしあわしチェックしてください。
・設定は通信を行う全てのVESMAで行っているか
・通信に必要なpubSpace・import・exportの3つの設定項目を正しく入力してあるか
・ユーザアカウントがきちんと設定されているか
・同じアカウントで同時にloginしようとしてないかどうか
・IPアドレスとポート番号は正しいかチェックする
・クライアント側にゾンビが残っていないか
(※ゾンビが残ってしまった場合、クライアント側でそのゾンビを[Alt]キー+左クリックして削除しないと、そのゾンビの主は新たにログインできなくなります。)
4.
オブジェクトの種類と機能
VESMAに用意されているオブジェクトは、単純なものから画像などを表示させる基本的な教材、エージェントなどの特殊なものまであり、その種類と機能について説明します。
(ア)
VApplet
通常のWebサイトで公開されているような一般的なAppletをそのままVESMAで表示することができ、VESMA用に書き換える必要がない。
(ア)VApplet
(イ)
Counter
A、B、C、D、Otherの5つのボタンがあり、各ユーザが選択した回答のボタンを押すと、各選択肢を選択した人数と合計人数がその場で集計され表示する。
(イ)Counter
(ウ)
Creature
ユーザに必要な情報をアドバイスするようなメッセージを提示することのできる推論エンジンを持つエージェント。推論エンジンのルールはルールベースの書き方が理解できればプログラムではなくてもエージェントを作成できる。
(ウ)Creature
(エ)
Exit
現在ユーザがいる仮想空間から外の仮想空間へ移動するができるオブジェクト。移動の際は、アバタをこのオブジェクトに体当たりさせることで空間を移動することができる。
(エ)Exit
(オ)
Examination
自動的に採点を行い、各問題の成否を出したテストデータを用いてユーザの学習項目別の理解度を計算することができる。
(オ)Examination
(カ)
Room
このオブジェクトに体当たりすると新しい空間へと移動する。また、移動した先の空間にも作ることができ、階層構造を持つ空間を作り上げることができる。
(カ)Room
(キ)
VHtml
VESMAのWebブラウザで、多くの教材をこのブラウザを使い表示することができる。CGIなどを用いたWebページも表示することができ、Web技術を用いた教育システムもVESMA上からアクセスすることができる。
(キ)VHtml
(ク)
Link
VESMAの各サーバ間のLinkを実現するもので、設定を行った上でこのオブジェクトにアバタで体当たりすると、サーバの移動ができる。
(ク)Link
(ケ)
Media
文や画像だけでは表現することのできないMPEGの動画や音声を再生することのできるオブジェクト。
(ケ)Media
(コ)
Note
VHtmlオブジェクトで表示することのできるHTML教材をVESMA上で作成するためのオブジェクト。現段階では簡単な編集程度しか行えない。
(コ)Note
(サ)
VPhone
電話のように音声を利用したコミュニケーションを実現する。現段階では一対一の通信だけで、将来的には多人数での通信を目標としている。
(サ)VPhone
(シ)
Image
静止画を表示するためもので、ダブルクリックすると別ウインドウで画像を表示する。サムネイルの画像だけを利用し仮想空間内のオブジェにすることもできる。
(シ)Image
(ス)
Music
WAV形式の音声データやMIDI規格で保存される音楽データを再生することのできるオブジェクトである。
(ス)Music
(セ)
WhiteBoard
掲示板のような機能を持つもので、ユーザ同士のコミュニケーションに使用することができる。現在は最低限の機能しかなく、BBSのほうを使用することが多いかもしれません。
(セ)WhiteBoard
(ソ)
BBS
VESMAの仮想空間内の電子掲示板で、メッセンジャーやIRCのようなチャット的機能を持つオブジェクト。会話ログが残る分、空間内で発言するより便利な時がある。
(ソ)BBS
5.
特殊な設定を持ったユーザ
クライアント側となるVESMAでも自分のユーザ登録は必要ですが、管理者モードとユーザモードをいちいち変えないといけないのはとても面倒だという方に、管理者とユーザの両方の特権をアバタに持たせることのできる設定を説明します。
[users]タブでまず、「guest」を削除し、通常通りユーザを作成します。nameは自由に名前を設定できます。userID は、特に制限はありません。Passwordも特に制限はありません。avatar・homeものようにデフォルトのままです。ここで変えなければならないのはroleです。roleには、「guest」ではなく「admin」と入力してください。そして全て入力し終えたら「Add」を押します。これで、このユーザは管理者とユーザの両方の特権を持つ特殊な扱いのアバタとなります。(※特殊な設定なのでユーザモードとは少し違う面がでてきます。通常は管理者モードとユーザモードの2つを使い分ける形を推奨します。)
6.
終わりに
ユーザマニュアルのほうで説明しなかったオブジェクトの種類と機能ですが、これは今回、仮想環境を用いた遠隔教育を元にしています。したがってサーバ移動してから使うユーザより、ユーザが移動してくるクライアント側のサーバであらかじめ設定をしておく必要があると感じ、ユーザマニュアルではなくクライアントマニュアルに記述しました。
ユーザ側の準備や初期設定等、また設定の流れを知りたい場合は、別途VESMAユーザマニュアルとVESMA設定の流れをそれぞれ参照してください。